ToMonteItaliaの食旅

イタリア在住のトモンテが、食を中心に、スローライフを紹介するよ

 Food食べ物 20210210182239 Sportスポーツ  Travel旅行  Artアート  Cultureカルチャー  Book本  Plant植物 Other

【イタリア旅行】レストランでの日本人向けおすすめ肉料理

チャオ!トモンテです。

イタリア料理といえば、ピザ、パスタが有名過ぎて、肉料理の知名度は比較的低めですね。
近年、アブルッツォ州の羊肉の串焼き「アロスティチーニ」をサイゼリアがメニュー化し予想を上回る人気が出た、というのを聞いて驚いた位です。

霜降り肉の口の中でとろける舌触りを知っている日本人にとって、イタリアのお肉はほぼ全て固いです。
筆者は自宅で、焼き加減ミディアムのビーフステーキを嚙んでいる最中に、歯が折れたこともあります......。(涙)

イタリアの主食であるパンも主流はハードパンなので、日本へ旅行したイタリア人は「日本のパンの大半は、ふにゃふにゃしてて柔らかすぎる!」と愚痴っていました。

この記事では、イタリア在住の筆者が、イタリアのレストランで肉料理をお試しされたい方へ、失敗を避けるメニュー選びを紹介します。

Brasato(ブラサート)

ピエモンテ州発祥の肉の煮込み料理。
最も有名なのは赤ワイン煮込みで、ビールやコンソメスープの場合もあります。
アルコール類で煮込む際は、ハーブやスパイスを入れたアルコール類にマリネしてから調理します。
スライスされた塊肉に、煮込んだ残り汁のソースがかけられています。

写真は、ピエモンテ州隣のヴァッレ・ダオスタ州で食べた牛肉の赤ワイン煮込み。

f:id:ToMonteItalia:20210917172322p:plain
ブラサート

Stinco di maiale(スティンコ・ディ・マイアーレ)

豚スネ肉のオーブン焼き。
イタリア北部、特にドイツ語圏のアルト・アディジェ地方の名物ですが、他の山岳地方でも食べられているようです。
赤ワインでマリネし、ローズマリーで香り付けして焼きます。
お肉が骨からホロッと無理なく取れる柔らかさです。

写真は、イタリア中部アブルッツォ州の豚スネ肉オーブン焼き。

f:id:ToMonteItalia:20210917173501p:plain
豚スネ肉のオーブン焼き

Gulasch (グラッシュ)

ハンガリー料理「グーヤッシュ」が元となった、牛肉のパプリカ風味野菜煮込み。
トレンティーノ-アルト・アディジェ地方で食べられています。

写真はどちらも、アルト・アディジェ地方で食べたグラッシュ。イタリアでは、トウモロコシ粉で作ったポレンタを添えることが多いようです。

f:id:ToMonteItalia:20210917175553p:plain
グラッシュ・ポレンタ添え
f:id:ToMonteItalia:20210917175917p:plain
グラッシュ・ライス添え

Cinghiale in umido(チンギアーレ・イン・ウミド)

赤ワインやクローブ、ナツメグ、ローズマリー、ねずの実といった香草やスパイスを使って煮込んだ猪肉料理。
イタリア中部の山岳地方でよく見るメニューです。
野生の猪の他、豚との混合種(お肉の色が薄め)も使用されています。

メニューに in umidoと書かれていたら煮込み料理ですので、迷わずこれを選びましょう。猪肉以外では、鹿肉などジビエ料理にもよく使われる調理法です。

写真は、トスカーナ州で食べた猪肉の煮込み料理。

f:id:ToMonteItalia:20210917172837p:plain
猪肉の煮込み料理

Tagliata(タリアータ)

トスカーナ州ピサ発祥のサーロイン塊肉のグリル。スライスしたお肉にオリーブオイルがひとふりされています。
焼き加減を聞かれたら、ミディアム(伊語mediaメディア)か、レア(伊語al sangueアル・サングエ)と答えましょう。ウエルダンで注文すると、噛み切れない肉が出てくる可能性大なので要注意です。

写真は、トスカーナ州で食べた牛肉のグリル・タリアータのポルチーニ・オーブン焼き乗せと、ポルチーニのフライ。

f:id:ToMonteItalia:20210917175125p:plain
タリアータとポルチーニのフライ

まとめ

この記事では、イタリア在住の筆者が、イタリア旅行で肉料理をお試しになりたい方へ、失敗を避けるメニュー選びを紹介しました。

イタリアで肉料理を試される場合は、煮込み料理(in umido)かオーブン料理をおすすめします。元々固いお肉も、煮込んだりオーブンで焼くと、多少は柔らかくなるからです。

逆に、イタリアのレストランでステーキを選ばれることは、あまりおすすめしません。
それでもフィレンツェのTボーンステーキを食べたい!という方は、高級店、もしくは観光地から離れた地元客に人気のあるレストランへ行かないと、カチカチのお肉に遭遇するリスクもありますので、予約前に最新情報をチェックの上お試し下さい。

長々とイタリア産の肉を腐しましたが、最後に良い点も。
山登りをすると牛や羊の放牧をよく見かけます。
肉を柔らかくするために、ビールを飲ませたり餌に人工的に色々混合したりせず、山に生える自然の草を食べさせて育てているので、イタリアでは安全な肉を生産していると実感できます。

*本記事は、はてなブログ今週のお題「肉」への投稿文です。