ToMonteItaliaの食旅

イタリア在住のトモンテが、食を中心に、スローライフを紹介するよ

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トスカーナ菓子 PandeSanti(パンデサンティ)

12月初旬のローマのスーパーマーケットには、日本でも既にお馴染みの、ミラノ発祥のパネットーネ、ヴェローナ発祥のパンドーロなどのクリスマス菓子が、入り口付近の特設スペースに山積みされています。

ウンブリア州テルニやエミリア・ロマーニャ州フェラーラでは、黒胡椒やシナモン等のスパイス、ヘーゼルナッツや胡桃等の木の実、オレンジピール等のドライフルーツ、蜂蜜、小麦粉で作ったPanpepato (パンペパート)が、クリスマス菓子として有名ですね。

トスカーナ州シエナでは、アーモンド、ドライフルーツ、スパイス、蜂蜜、小麦粉で作ったクリスマス伝統菓子Panforte (パンフォルテ) が有名です。

トスカーナのスーパーで11月、ドイツのクリスマス菓子シュトーレンの粉糖なしバージョンのようなPandeSanti(パンデサンティ)という菓子パンを見つけ購入しました。
パンフォルテみたいにクリスマスシーズンに食べるものだと勝手に勘違いして保存していたら、気付くと賞味期限が切れそうだったので、早速慌てて食べてみました。

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パンデサンティ

まず、原材料をチェックすると、小麦粉、干しぶどう、生イースト、胡桃、砂糖、エクストラバージンオイル、卵、バター、蜂蜜、ラード、塩、胡椒、等々でした。

シュトーレンよりも生地の目が詰ってなくてもっとパンに近い食感で、パネットーネよりもパサパサ感がなく、ほのかに胡椒が効いていました。

元来甘党ではなく、洋酒漬けのお菓子を好む筆者ですが、原材料にアルコールが入っていなくても満足できる濃厚な味でした。

このPandeSanti (パンデサンティ/神様達のパン)、調べてみると、 Pan co' santi (パン・コ・サンティ)、Pane co' Santi (パーネ・コ・サンティ) 、Pan dei Santi (パン・デイ・サンティ)と、その名称は地方によって微妙に異なるようです。

が、なんとこのパンデサンティ、11月1日のTutti i Santi (諸聖人の日) ~11月2日(死者の日)、つまり故人を弔う為にお墓参りに行く時期に食べられているお菓子でした...。クリスマスとは無関係...。(汗)
ミラノでのPan dei morti (パン・デイ・モルティ)、というところでしょうか。

伝統的習慣としては、デザートワインのヴィンサントや赤ワインといっしょに頂くお菓子だそうです。

筆者購入のパンデサンティを作ったCorsini (コルシーニ)は、シエナ地方のカステルデルピアーノで1921年、コルシーニファミリーが創業し、トスカーナ伝統菓子メーカーとしてこちらでは知られています。
多種類のクッキーやケーキ等の焼き菓子を製造販売しており、カステルデルピアーノやシエナには、コルシーニのお菓子が味わえるカフェテリアもあります。

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朝食用クッキーとビスケット

もし、この地味でややマイナーなパンデサンティを、偶然どこかで目にされたら、是非味わってみて下さい!