ToMonteItaliaの食旅

イタリア在住のトモンテが、食を中心に、スローライフを紹介するよ

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ローマの朝食 マリトッツォ

コロナ太りされてませんか?筆者はもちろんYESです。
短い足を高速フル回転させてのウォーキングを毎日欠かさず、週末に長距離サイクリングをしても、年齢には勝てません。
メタボが悪いせいか、痩せるどころか微妙に太ってきています。とほほ....(涙)
外出を控えパン作りにはまっているのも、原因の1つです。

家に常備しているのは、健康に良いと言われているカカオ90%以上のビターチョコレートだけ。
コロナ渦で友人と会うことも出来る限り自粛した結果、最近食べたケーキを思い出せなくなりました。
なので、ローマの定番スイーツを、今年頑張った自分へのご褒美として、胸焼けする位味わうことに決めました。

とはいえ、イタリアでケーキが美味しい州は?と質問されたら、フランスと国境を挟むモンブランの入り口、ヴァッレ・ダオスタ州だと答えています。何故なら、フランス同様バターをふんだんに使い、日本の手作りケーキ有名店の繊細な味がするからです。
チョコレート菓子が美味しい州は?と聞かれたら、最近銀座にも店をオープンしたVenchi(ヴェンキ)を産んだピエモンテ州だと答えます。
そして、筆者が愛してやまない洋酒入り菓子は、ラム酒シロップを染み込ませたイタリア版サバラン、ナポリのババです。

他州と比べてそれ程興味をそそらないラッツォ州のケーキ屋で、筆者が唯一依存症になっているのが、Maritozzo(マリトッツォ)です。

これは、しっとりしたブリオッシュ生地のパンに生クリームをたっぷり挟んだ菓子パンで、バールやケーキ屋で売っています。
生クリームがこれでもか!という位、ぎっしり詰っている見た目とは裏腹に、意外にもペロッと食べられる軽さで、甘さは控えめです。
お昼過ぎに売り切れていることが多いのは、これをカプチーノといっしょに朝食として頂く人が多いからです。

マリトッツォを食べる際は、手作りケーキ屋併設のバールに限ります。その理由は、生地のしっとり感が違い、生クリームがより新鮮だからです。
店内に入ると、ミニョンと呼ばれるひと口大ケーキのショーケースの左端に、フフフ、ありました。でも、数が減ってきてるから急がなきゃ!

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ローマの手作りケーキ屋のショーケース

念願のマリトッツォを、カプチーノと一緒に頂きました。
お値段は、1個あたり2ユーロ。

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マリトッツォとカプチーノ

午前8時半頃の店内です。
コロナ渦以前は、座席確保が困難な位、お客さんで溢れかえっていました。
大抵の人は、コルネット(クロワッサン)とカプチーノを注文します。

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ケーキ屋店内

ブログの記事にするには、やはり翌日のマリトッツォの劣化検証も必要ではないか?と強引に理由をこじつけ、更に2個テイクアウトしました。

冷蔵庫で一晩保存した後、翌日の朝食として紅茶といっしょに頂きました。
見た目には、大きな変化は見当たりません。

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テイクアウトした翌日のマリトッツォ

生クリームと生地の構成比は、生クリームが勝っています。
お味の方は、劣化どころか、生地がよりしっとりして美味しくなっていました!

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マリトッツォ断面


Maritozzoは古代ローマから存在していたとも言われ、元々は干しぶどうなどのドライフルーツと松の実が入った今よりも大きな菓子パンだったらしく、中世ではカトリックの四旬節に食べられていた風習があったようです。
その名称の由来は諸説ありますが、婚約者が将来のお嫁さんへ3月の第1金曜日にプレゼントしたことから、夫(イタリア語でMarito)がコミカルな語形変化をしてこのお菓子をMaritozzoと名付けたという説が主力なようです。
このマリトッツォの中に、指輪や小さな金細工などの贈り物を隠して将来のお嫁さんに渡していたとも言われています。
つまり、古代版バレンタインデーのチョコレートのようなお菓子だったようですね。

ティラミスやパンナコッタのように、レストランのデザートメニューには存在しない朝食スイーツ"マリトッツォ"、最近ではイータリー原宿店の限定メニューになったり、カルディでも販売しているようですが、いつか現地でカプチーノといっしょに朝食として召し上がって頂くことを是非ともおすすめします!


*今週のお題「自分にご褒美」への投稿文です。