ToMonteItaliaの食旅

イタリア在住のトモンテが、食を中心に、スローライフを紹介するよ

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イタリア初登場!ピザ自動販売機、日米伊3ヶ国比較

チャオ!トモンテです。
この春ローマに、遅ればせながらやっとピザの自動販売機が登場しました!ピザといえばイタリアですが、意外なことに、ピザの自動販売機は今までローマになかったのです。
10年程前に、パレルモ空港やソレントのバスターミナルにはあったようですが、イタリアの複数メディアが「イタリア初登場!」と記述しているので、定着しなかったのかもしれません。

アメリカや日本では、既にピザ自動販が定着しているのに何故?
スローフードの発祥地であるイタリアでは、マクドナルドの進出も他国に比べ遅かったので、食に関してスピードや手軽さを追求しない傾向があります。(食に限らず何でも遅いですが....)

この記事では、ローマに登場したピザの自動販売機を、アメリカや日本のピザ自販機と比較しながら紹介します。

イタリアのMr.Go Pizza自販機

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Mr.Goシンボルマーク

"小麦粉から作る"というのが、Mr.Goのピザ自動販売機の特長です。
自販機が1枚160gのピザ生地を内部で作り、380度の高温で焼き上げます。出来上がりまでの待ち時間は約3分。
自販機内部でピザを作る行程が部分的に見えるのも楽しく、同時に安心感もある、と評判です。

マルゲリータが4.50ユーロから、辛いサラミのピザ5ユーロ、ベーコンピザ5ユーロ、4種類のチーズピザは6ユーロです。

イタリア人が自販機でピザを購入している様子はこちらの動画からどうぞ♪♪
www.youtube.com

発酵させたピザ生地でないため、食べた人は「ビスケットのような食感」「ピアディーナに近い」と評価しています。
動画のコメント欄では、「ローマにはピッツェリアが溢れているのに自販機のピザを買うなんて考えられない!」という、ピザ自販機に対してのアンチコメントでプチ炎上していました。中には「自販機の製造技術は、日本の方が優れているのでは?」という親日意見もありました。

ローマには、クリスピーな生地が特長のローマ風丸型ピザを提供するピッツェリアに加え、多種類の具材がトッピングされた四角いピザを切り売りする立ち食いピザ屋が無数にあるので、ローマ市民の舌は肥えています。
ローマのピザについては、こちらの記事からどうぞ♪♪
tomonteitalia.hatenablog.com
味については改良の余地があるものの、ローマには24時間営業のコンビニがないので、365日24時間体制で熱々のピザを提供してくれる自販機に、街の人は概ね喜んでいるようです。

世界の流行や新しい物事をすぐに取り入れるミラノと異なり、食文化について伝統を重んじるがあまり非常に閉鎖的なローマを、テストマーケティングの地に選んだのはとても不思議ですが、コロナ対策でいつまたピッツェリアやピザ屋が時短営業になるかの恐れもあり、ピザ自販機の受け入れ体制が、この1年でローマにも自然にできていたように見受けられます。

ピザ自販機が置かれている場所はNomentanaエリアで、Villa Torloniaの裏手、サピエンツァ大学、Policlinico Umberto I 病院からも近い、Via Catania2にあります。地下鉄B線ボローニャ駅が最寄駅です。
ピザ自販機には英語表示もありますが、設置場所は観光地ではありませんので、深夜に遊ぶ地元の学生など若者をターゲットにしているのかもしれません。

Mr.Goは、米国の国際的イノベーション企業スタートアップの食品加工の技術をもとに、Let's Pizzaブランドで販売代理店の特許を取得しているようです。
ピザマシンを開発/販売しているスタートアップについての詳細は、こちらのリンクからどうぞ♪♪
焼きたてのピザがすぐに買える 米スタートアップが開発する「ピザ自販機」 | Webマガジン「AXIS」 | デザインのWebメディア

アメリカの大学構内ピザ自販機

オハイオ州ザビエル大学では、2016年既に、大学構内にピザの自販機がありました。自販機には常時70枚程のストックがあり、500度の高熱で焼き上げ、待ち時間約3分で、本格的なふっくらとしたピザが食べられます。
ザビエル大学のピザ自販機の詳細は、こちらの参考記事からどうぞ♪♪
https://isuta.jp/97156

フロリダ州ノースフロリダ大学では、2020年にピザの自販機が大学構内に設置されました。大学の調理場で毎日手作りした新鮮な食材を使用したフレッシュなピザが、待ち時間約3分45秒で出来上がり、お値段は8.5~9ドルだそうです。
ノースフロリダ大学のピザ自販機の詳細は、こちらの参考記事からどうぞ♪♪
https://www.excite.co.jp/news/article/Karapaia_52286573/

日本のピザ自販機

広島のPizza Self Japan (ピザセルフジャパン)は、イタリア本場のピザを使用した自販機をベネチアで共同開発し、2018年アジア初のピザ自販機を広島市に設置しました。
社長はイタリアで小麦粉から作る自動販売機も検討されたのですが「生地が美味しくない」という理由で断念し、冷凍ピザを使う自販機の方を選んだそうです。
ピザカッターも付いて、マルゲリータが980円、4種チーズ(ゴルゴンゾーラ、水牛モッツァレッラ、エダム、ブリー)のピザが1280円。
4種チーズのうちの2種がオランダとフランスのチーズであったり、ピザの本場ナポリではなく「ベネチアの職人が自然発酵させた手作りの生地」という宣伝文に??と、ツッコミどころ満載ですが、写真を見る限りでは本格的なイタリアのピザであることが伺えますし、水牛モッツァレッラを使用してこの値段だと、コストパフォーマンスも高いと思います。
pizzaself-japan.jp
加えて広島には、国産のピザ自販機を展開しているピザリンクスもあります。マルゲリータ、アメリカンピザ、4種チーズピザ、5種チーズバジルを、単価1000円~1200円で自販機販売しています。
詳細は下記リンクからどうぞ♪♪
ピザ自動販売機のピザリンクス|初の日本製ピザ自販機ならいつでも焼きたてピザ

また、沖縄にあるピザすけは、ピザリンクスと業務提携し、沖縄にピザ自販機を設置しています。
詳細は下記リンクからどうぞ♪♪
ピザの自動販売機「ピザすけ」|沖縄初のピザ自販機ならいつでも焼きたてピザ

さいごに

この記事では、この春ローマに登場したピザの自動販売機を、アメリカや日本の自販機と比較しながら紹介しました。

ドイツ/オーストリアの食文化を持つイタリア北部アルト・アディジェ地方のような所にこのピザ自販機を設置したら、イタリア中南部の人が旅行中ピザが懐かしくなった時に重宝するのでは?と感じました。

ピザ発祥の地イタリアで、どの州にこのピザ自動販売機が定着できるのか、今後が楽しみです。
いつか時間を見つけて、直接この自販機でピザを購入し、食レポを書いてみたいと思います。

●参考文献
Mr.Goホームページ(www.mrgo.it)
il messaggero.it
Gambero rosso.it
lastampa.it