ToMonteItaliaの食旅

イタリア在住のトモンテが、食を中心に、スローライフを紹介するよ

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【国際女性デー】ミモザの日にイタリア女性を再観察

今日3月8日は「国際女性デー」。ここイタリアでも「女性の日」で、男性から女性へ、子供から母へ、女性に感謝の気持を込めてミモザの花を贈る習慣があります。

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3月初旬のカフェのショーウインドー

プレイボーイ、マザコン、イケメン(もちろん残念な人も存在)と、イタリア男性についてのステレオタイプは世界に共通しています。典型的な南イタリアの伊達男、ちょい悪オヤジのジローラモ・パンツェッタ氏は、日本でも有名ですね。
但しこれがイタリア女性となると、印象が若干薄い気がします。
この記事では、ミモザの日にちなんで、イタリア在住者がイタリア女性を改めて観察してみた感想を綴ります。

イタリア女優と歌手

国際的大物女優では、2020年の映画「これからの人生」で主役を演じたソフィア・ローレン、現代ならハリウッド映画で活躍するモニカ・ベルッチやハリウッド界有名プロジューサーセクハラ問題で立ち上がったアーシア・アルジェント、映画「イル・ポスティーノ」のマリア・グラツィア・クチノッタ等がいますが、皆美人でセクシーですね。
大御所歌手ではミーナ、映画「これからの人生」の主題歌「Io, sì」で、今年ゴールデングローブ賞歌曲賞を受賞したラウラ・パウジーニが世界的に知られています。

美容整形手術事情

顔の整形については、芸能人を見る限りでは、艶かしい口元を実現するために、唇にシリコンをたっぷり注入します。  
鼻の骨を削って、鼻を小ぶりにする女性もいます。
鼻が高くて大きく、唇が薄いイタリア人が多いので、コンプレックス脱却のせいかもしれません。

マンモグラフィーの電話予約時、胸にプロテーゼ(シリコン等)を入れているかどうかを、予約担当者から質問されました。女優、タレントで豊胸手術をしている人は沢山いますが、一般人でも多いことが推測できます。

一般女性のお化粧事情

元々顔立ちがはっきりしていて眉も濃いので、仕事中は唇にリップクリームを塗るだけで、ほぼすっぴんの女性が結構います。仕事を終え遊びに行く前に、口元は自然な色のベージュ系リップで控えめに、くっきり二重で大きな目元に濃いメイクを施します。化粧なしでも、睫毛が長く人形のような美しい目をされています。

また、「日焼けをした女性=魅力的」というお国柄なので、需要がないからか美白化粧品は販売されていません。イタリア女性はシミそばかすを気にせず、日傘も帽子も使用せず、夏の海では入浴も程ほどにして砂浜で肌をこんがり焼くことに精を出しています。

おばさん事情

日本の語学学校でイタリア語を教えてくれた女性教師は、「日本では男性から綺麗とか全然言われないし、自分が凄くおばさんになった気がする」と暗い顔で寂しそうに語っていました。彼女は当時30代前半だったと記憶しています。イタリアでは30代なんてまだまだ若い女性のカテゴリーに入るので、筆者も40代前半までおばさんの自覚が全然なかったです。

イタリアでは、知らない大人の女性に声をかける時、「シニョーラ」と呼びかけますが、高級ブランドショップ店内では「マダム」を使う販売員もたまにいます。逆に、女子学生や若い女性に対しては「シニョリーナ」を使いますが、「シニョリーナ」から「シニョーラ」に呼ばれ方が変わっても「自分もついにおばさんになったのか...」と感じさせられたことはなく、「大人に見られている」という感覚の方が強かったです。

マンマの役割

クリスマス、復活祭等の祭事イベントの親戚食事会で、アンティパスト、プリモ、セコンドと、大人数の料理を1人で料理するので、凄いエネルギーが必要です。昔から現代に至るまで、マンマの存在は偉大です。
いかんせん、イタリアでは高齢化が進んでおり、日本同様、少子化が大きな社会問題となっています。

喫煙/飲酒事情

イタリアでは、女性の喫煙が日本より多いように見えます。
WHO(世界保健機関)2018年版女性の喫煙率データでも、日本が8.6%に対し、イタリアは17.3%で、イタリアは日本の2倍です。

逆にアルコール飲酒については、日本人女性の方が多く飲むと思われます。
WHOの2010年版女性1人あたりのアルコール消費量ランキングでも、日本が4.2リットルに対し、イタリアは3.9リットルで、僅差ですが日本がイタリアを上回っています。
実際に親戚の食事会では、アルコールを飲まない女性陣は食後すぐ喫煙しにベランダへ行き、筆者は喫煙しない男性陣とワインを飲み続けます。

仕事事情

寿退社はありませんし、妊娠しても産休をがっつり消化して職場復帰します。子供は、両親や姑達、保育所、ベビーシッターに預け、外国人(東欧/南米/南アジア)のお手伝いさんに週に1~2回掃除してもらい、絶対に仕事を辞めません。
家庭第一で、就業時間が終わると残業をせず、一瞬にして風の如く姿を消します。

イタリアでは、40歳以上の女性が単独司会を務めているテレビ番組が多く見られます。
ジャーナリスト界でも、危険なアラブの国で女性が長期駐在員になり、ヘルメットをかぶって内戦を報道している映像がテレビから流れます。
こちらでは、女性のキャリアを重要視する傾向がうかがえます。

日本には、捨て身の面白い女芸人が沢山いますが、イタリアには女を捨てた女性コメディアンはほぼ皆無なのでつまらないです。
イタリアのスポーツ選手もロングヘアーが目立ち、モデルもする綺麗なスポーツ選手が結構います。

典型的な性格

要領が良く、後から入った自分にとって重要な約束を先約より優先し、ドタキャンも平気でやってのける抜け目のないイタリア女性。
こんなに長くイタリアに住んでいても、イタリア女性の友人はたった1人です。在伊の日本人の友達からは、「1人でもいたらマシ」と羨ましがられています。「でもママ友が出来るでしょ?」と聞いても、「皆仕事で忙しいから外国人をわざわざ友達にする余裕がない」と返されます。日本が大好きだとか、何かメリットでもないと、友人付き合いは難しいようです。
確かにこちらに来たばかりの若い頃は、筆者にも日本好きのイタリア人の女友達が数人いました。子育てと仕事に追われ時間がない同年代のイタリア人女性と友情を築くのは、かなり難しい現状です。

ですが、バスを待っている時など、知らないシニョーラがイタリア語で親しげに話しかけてくることがしばしばあり、日本人差別は感じません。一概に、イタリア女性はフレンドリーです。

フェミサイド

イタリア女性は好きな人には意外と尽くしますが、口喧嘩の罵り合いでは男性より強いので、仕事を持って経済的に自立している女性は愛想が尽きたらさっさと別れます。
しかしながらここ数年、DVについての公共広告やテレビ番組も目に付くようになりました。
フェミサイド(女性を標的とした殺人)についても、元夫、元恋人等、過去のパートナーから嫉妬が原因で殺される事件が、ここ数年、テレビニュースで目に付くようになりました。塩酸を顔にかけられて裁判沙汰になっているケースもあります。
ただ、日本のように見知らぬ女性を無差別に殺す事件や、子供が母親を殺す事件は皆無に近いです。

最後に

この記事では、ミモザの日にちなんで、イタリア在住者がイタリア人女性を観察/分析し、心赴くままに綴ってみました。
今後、イタリアに留学される学生さんや長期滞在をお考えの方に、少しでも役立てば幸いです。