ToMonteItaliaの食旅

イタリア在住のトモンテが、食を中心に、スローライフを紹介するよ

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【日伊比較】ゼレンスキー大統領の国会演説を視聴して

チャオ!トモンテです。

ロシア軍によるウクライナでの戦争が、1か月近く続いています。

イタリアでは毎日、多くのチャンネルで時間帯にかかわらず、ウクライナ戦争についてのニュースや討論会番組が放送されています。

そんな中、ゼレンスキー大統領のビデオ演説が3月22日、イタリアの国会で放映されました。
同じく日本の国会でも3月24日、大統領のビデオ演説がありました。

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この記事では、両国におけるゼレンスキー大統領のビデオ演説を、YouTube視聴して感じたことを綴ります。

イタリアでの国会演説

イタリアが現在、6 万人以上の戦争難民を受け入れていることに礼を述べ、そのホスピタリティーに深く感謝されていました。

そして、「ウクライナの港町Mariupolでは何人もの子供が戦争で死んでいます。(港町)ジェノバで117人の子供が虐殺されていることを想像して下さい」と訴えかけていました。
ジェノバといえば2018年、モランディ橋が崩れ43名の死者を出した事故が記憶に浮かびました。

また、ローマ教皇と話し、「できるだけ早くキエフにお越しいただきたい」とお願いしたことも語られていました。
(後のニュースで、両者が電話会談をされたことを知りました)

【イタリアでのゼレンスキー大統領の国会演説動画】
自動翻訳機能を使うと和訳が表示されます。
www.youtube.com
ドラギ首相はビデオ演説直後、「傲慢なロシア政府がウクライナ国民の尊厳を踏みにじりウクライナを侵略している」と辛口に批判し、ウクライナを全面的に支援する意を表明しました。

天然ガスをはじめたとした資源をロシアからの輸入に頼っているイタリアですので、国民の不安は尋常ではありません。

ガソリン代の高騰、小麦製品の品薄(2020年コロナロックダウン時ほどではない)、光熱費高騰(ウクライナ戦争前から)で、イタリア人の生活は経済的にますます厳しくなってきている中、首相の対露強硬姿勢宣言で、一般市民の経済難は更に加速するでしょう。

ローマのウクライナ人

ローマでは、老人介護者として働く出稼ぎウクライナ女性が沢山住んでおり、祖国に仕送りをしています。ここで節約し、祖国で家を購入・リフォームしたり、子供の養育費をまかなっています。
チェルノブイリ原発事故の関係か、健康状態が良くないご主人が祖国で子供と暮らしている、というウクライナ女性達の話を昔聞いたことがあります。
家族と離れ離れに暮らして折角貯めたお金で購入した家が戦争で崩壊したり、祖国に残っている彼女達の家族の身が危険にさらされていることを想像すると、心が痛みます。

母親に連れられてウクライナからイタリアに来た幼児達が、ボランティアのイタリア人から玩具やぬいぐるみをもらって旅行気分ではしゃいでいる姿を見ると、まだ戦争の恐ろしさがわからない年代であることがせめてもの救いだと感じました。

日本での国会演説

イタリアの国会ビデオ演説同様、日本からの支援に対する感謝の意を述べられ、今後の支援継続を要請されていましたが、戦場でのチェルノブイリの状況を詳しく説明されていたことが印象的でした。これは、イタリアでの演説にはありませんでした。

イタリアの原子力発電所は現在休止状態で稼動されておらず、日本では津波による福島の原発事故があり、日本人には実感してもらえると思われたからかもしれません。

最後に

この記事では、両国におけるゼレンスキー大統領のビデオ演説を、YouTube視聴して感じたことを綴りました。

ロシア軍は現在、病院や学校にさえ無差別に爆撃しています。

その反面、脱走すると懲役約8年なのにもかかわらず脱走するロシア兵、負傷による祖国搬送目的に自分で自分の足を銃撃するロシア兵が後を絶たないとも報道されています。

本日3月24日、バイデン大統領がブリュッセルで欧州の首脳陣と会談し、ロシアに対しさらなる経済制裁と7000人の軍隊をヨーロッパに送ることを表明しています。

戦争で亡くなった方へのご冥福を祈り、できるだけ早い停戦を心から願いながら、ローマ教皇の言葉で締めくくりたいと思います。

「戦争には勝者と敗者の区別はない、どちらも敗者だ。武器を送ったり、武器を作ったりすることは何の解決にもならない」

最後までお読み頂き、ありがとうございました。