【イタリアのペット事情】夏のバカンス前に捨てられる犬達
チャオ!トモンテです。
イタリアでは夏のバカンス前に、飼っているペットを捨てる人がいるので、ほぼ毎年6月末から7月初旬頃に、「ペットを捨てないで!」と呼びかける動物愛護の公共広告が流れます。(昨年はコロナの影響で旅行需要が減ったためか見かけませんでした)
この記事では、イタリア在住20年の筆者が、ここで生活していて感じるイタリアのペット事情と捨てられる犬達を、思いつくままに綴ります。
イタリアのペット事情
ローマでは、犬に鎖をつなげず放し飼いのようにして、公園内をいっしょに散歩する飼い主を結構見かけます。
そのせいか、日本の犬と比較して、こちらの犬はあまり人間に吠えません。ゆったりリラックスしている印象があります。
逆に、犬を怖がる人にとって、ここは地獄です。
筆者は幼稚園に入る前、近所の大型犬に馬乗りされた経験があるので、それがトラウマとなり今だに犬が怖いのです。
犬は、犬を怖がる人間を本能で察知し、その人目掛けて吠えます。
ただここイタリアでは、一部の小型犬を除いて、吠えられることは少なくなりました。
こちらのマンションでは大型犬も結構飼われていて、飼い犬禁止のマンションというのを聞いたことがありません。
イタリア人は1日に2~3回まめに犬と散歩し、とても可愛がります。
仕事で散歩できない人は、ペットシッターや両親に預けます。
ペットシッターが複数の犬を散歩に連れている姿も見かけます。
日本に住んでいた頃、散歩に連れていってもらえず番犬としてつなぎっぱなしにされていた犬が近所に数匹いましたが、いつもそちらから悲しい遠吠えが聞こえてきました。イタリアではこの遠吠えをあまり聞いたことがありません。
イタリアの公園や広場では、新米ママの公園デビューよりも、犬の飼い主の集いが遥かに多く見られます。
自宅マンション前の公園や、ウォーキングに行く公園でも、犬の飼い主の方が小さな子供連れママの数よりも断然多いです。
捨てられる犬達
数年前、アブルッツォ州カンポ・フェリーチェで初夏のトレッキング後、駐車場で飼い主を懸命に探すスピッツがいました。駐車していた車は3~4台で、誰もそのスピッツの飼い主ではないようでした。

また、トスカーナへ向かうカッシア街道で、犬を捨てる現場を目撃したこともあります。前方遠くを走っていた車が急に停車し、車から1匹のワンちゃんを降ろし、速攻で逃げ去りました。ワンちゃんは車を追いかけていましたが、力尽きて最後には歩道を歩いていました。これも、初夏の出来事でした。
昔のテレビスポットCMですが、YouTubeで上記と似たような状況を見つけましたのでご覧下さい。CMの最後で、イタリアではペットを捨てることは法律上犯罪となります、と訴えかけています。
www.youtube.com
こちらには長期バカンス用に犬猫専門ペンションもあり、最近ではペットOKの宿泊施設もあるというのに......。不運な飼い犬は、飼い主のエゴでポイ捨てされるのです。
しかしながら、最近ラツィオ州の山でトレッキングした時出くわした野良犬と思われるワンちゃんファミリーは、山で元気に暮らしている様子でした。

トレッキングの様子は、こちらの前回の記事からどうぞ♪♪
tomonteitalia.hatenablog.com
野生動物のペット化
ある日、住宅街にある自宅マンション前の公園に、猪が1匹いました。野生の猪は通常、人間が近づくとすぐ逃げますが、この猪は恐れないので、写真を撮りにマンションから降りていく住人もいました。

翌日、近くの道路でこの猪が車にはねられた写真が拡散されました。ヴィートという名前で、以前どこかの家で飼われていたようです。
最後に
この記事では、イタリア在住20年の筆者が、ここで生活していて感じるイタリアのペット事情や捨てられる犬達を、思いつくままに綴りました。
ローマ生活で経験したことを、データの裏付けなしに書き出しただけですので、イタリアの別の地方では異なる可能性もあります。
基本的に動物愛の強い国民なのに、夏のバカンス前にガラッと豹変するこの行動には驚愕します。
大多数のイタリア人はペットに溺愛傾向なので、ペットを捨てる一部の層が許せなくて公共広告が定期的に流れるのかもしれません。
毎年、この時期になると、ワンちゃんが捨てられないことを、陰ながら願うばかりです。