ToMonteItaliaの食旅

イタリア在住のトモンテが、食を中心に、スローライフを紹介するよ

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COVID-19発生から1年、イタリアの変化

2020年2月末、私が住むイタリア、特にミラノを中心とする北伊でCOVID-19感染者が急増し、早くも1年が経過しました。
この記事では、イタリアのこの1年の変化を振り返ってみます。

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イタリアの変化

挨拶の変化とマスク姿及び行列の日常化

イタリアでは、初対面の挨拶は握手ですが、少しでも面識があると、握手もしくはハグしながら、左右交互に頬を相手に軽くつけて挨拶します。
Covid-19感染発生以降、従来型挨拶の代わりに、相手に肘をつけて挨拶することが習慣化されました。

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コロナ感染防止の肘タッチ挨拶

日本と違い、過去インフルエンザが流行ってもマスク姿を見かけなかったこの国で、現在ではマスク姿が当たり前になりました。入店、入館にマスクを義務付けている所がほとんどなので、健康な人でも外出の際はマスクを持参しています。

日本では、美味しいレストランに行列ができる風景を見慣れていますが、イタリアではそれがありませんでした。この1年間、ソーシャルディスタンスによる行列が、イタリアで当たり前の風景となりました。

在宅勤務の増加に伴い、ウォーキング、ジョギング、サイクリングなど、軽い運動を習慣化する人が増え、私が住むローマ郊外の公園や歩道には、トレーニングウエアの人々で溢れています。
今日体重計を買いに、IKEA、LeroyMerlin、Bricoと大型店に探しに行ったのですが、全店売り切れでした。コロナ太りを気にするイタリア人達に先を越されました。
昨年の政府のグリーンエコを目的とした自転車購入者を対象とした購買金額の一部払い戻し政策により、自転車所有者数が増えました。

Covid-19感染状況の変化

欧米で一番初めにコロナ感染者が急増した国はイタリアでした。ほぼ毎日千人近くの死亡者が出て、2020年3月~4月にロックダウン、店からマスクが消え、スーパー、薬局、郵便局の前にはいつも長蛇の列が見られました。
イタリアの医療崩壊が世界各国で報道され、医師をはじめとする医療関係者のコロナ感染による死亡が続出しました。
感染者は夏場多少減少したものの、秋から第二波が始まり、現在2021年2月、感染者数は世界第8位、感染死亡者数はメキシコに次ぎ世界第6位です。そして、コロナ感染による死亡率は依然として上位クラスです。

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新型コロナウィルス感染者と死者数の世界順位(2021年2月16日/出典: worldometers.info)

現在は、州をまたがる不必要な移動は基本的に禁止されていますが、学校は開校しており、スーパー以外の店の時短営業はありますが、外出する人はかなり増えました。

イタリアでは、病院のベッドや集中治療室の空き数、アウトブレイク(集団感染)の有無、伝染指数Rt(Covid-19パンデミック防止策後、1人の感染者が平均で何人を直接感染させるかを指す数字)等、27項目を基準値に照らし合わせ、Covid-19感染の危険度を、赤、オレンジ、黄色で色分けし、各ゾーンで行動規制の法令が制定されています。
2021年2月現在、レッドゾーンに該当する州はなし、オレンジゾーンはアブルッツォ州、トスカーナ州、ボルツァーノ県、トレント県、シチリア州、ウンブリア州で、それ以外の州がイエローゾーンです。

コロナウイルス変異株感染者については、ロンバルディア州でブラジル型、イギリス型、南アフリカ型の3種、ウンブリア州でブラジル型が確認されています。

Covid-19ワクチン状況

ファイザー/ビオンテックのワクチンが最も多く、一番早くイタリアに供給されました。2020年12月末より医療関係者対象にワクチン接種が開始され、2021年2月からは、80歳以上の一般高齢者も予約制で受けられるようになりました。
アストラゼネカのワクチンも、教師等教育関係者や警官等を優先しながら今月より18歳~65歳までを対象として摂取可能になっています。

政府の変化

Covid-19発生から1年間、リーダーシップを発揮しながらコロナ感染状況よる法令の制定/改定と国民へのコミュニケーションを欠かさず頑張っていたコンテ前首相が、2021年2月に辞任しました。
マッタレッラ大統領の招請で、欧州中央銀行総裁とイタリア銀行総裁の経歴をもつ経済学者、ドラギ氏が首相に就任し、パンデミックによる経済低迷の底上げを狙った新政府が発足されました。

税金の申告漏れ対策、つまり現金払いと領収書なしでの支払いを軽減させる為に、政府は昨年12月より、イタリア在住のカード決済者に購買金額の10%が払い戻しされるキャッシュバック制度を導入しました。オンライン購買は除外され、2021年1月~6月の期間中、最低50回のカード決済、1回の払い戻し上限額は15ユーロという条件付きでキャッシュバックが行われます。同時に、カード決済者対象に賞金が当たるキャンペーンも行っています。

まとめ

この記事では、新型コロナウイルス発生から現在に至るまでの、イタリアのこの1年の変化についてまとめてみました。
新政府の今後の政策で、現状が改善するよう期待したいところです。

因みに私の住むローマでは以前、いつも観光客で賑わっていましたが、乗り入れ航空便の本数が減り、2週間の隔離期間が設けられるなどのコロナ感染拡大防止対策により、観光客の姿が激減しました。

本日2月17日、日本でもやっとコロナワクチン接種が開始されました。
日本はまだ感染者数が世界第37位で、イタリアに比べると感染死者数も少ないものの、その順位はじわじわと上昇してきています。
緊急事態宣言が功を奏すよう心より願っています。