ToMonteItaliaの食旅

イタリア在住のトモンテが、食を中心に、スローライフを紹介するよ

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サルバドール・ダリへのオマージュ

32年前の今日1月23日、シュルレアリストの巨匠サルバドール・ダリが、生まれ故郷スペイン・フィゲラスで逝去しました。84歳でした。生涯のパートナー、ガラに先立たれてから7年後のことでした。
今回は敬愛するサルバドール・ダリについて綴ります。

  目次

シュルレアリスム

フランス語でシュルレアリスム、英語でシュールレアリズムと呼ばれるこの芸術用語、訳すと超現実主義です。始まりは、フランス詩人アンドレ・ブルトンの宣言からで、その思考的基盤はフロイトとマルクスにあり、無意識を探求し表出する、例えば夢を芸術に具現化することで人間の全体性の回復を見出していきました。
ダリはその「ファシスト的思考」でアンドレ・ブルトンから除名されるまで、シュルレアリスト・グループに属していました。

ガラとの出会い

ダリは映画監督ルイス・ブニュエルとシュルレアリスム映画「アンダルシアの犬」を共同制作(剃刀で眼球を切る映像があるので鑑賞には要注意!)したのをはじめ、詩人フェデリコ・ガルシア・ロルカとも親交を深めます。同性愛者だったロルカからは、かなり気に入られていたようです。

フランス詩人ポール・エリュアールが妻ガラを同伴しダリ宅を訪問したのがダリとガラの出会いです。すぐ互いに惹かれ合い、後に結婚します。ダリにとってガラは、ミューズであり仕事のマネージャーでした。
ダリは17歳の時に最愛の母を亡くし、父と衝突しながら母の愛に飢えていたので、10歳年上のガラに母性愛を求めていたのかもしれません。実際にダリのことをエディプスコンプレックスだと分析している美術批評家もいます。
ダリは生涯、最愛のガラを聖母の如く神聖な対象として描き続けましたが、ガラの男性関係はダリとの結婚後も自由奔放だったようです。ガラ死去後、ダリはあまりの意気消沈のため絵画制作活動をやめています。

ダリのアートと卵

トレードマークのピンッと上にはねた髭、頭にバゲットをのせて人前に登場するような奇行の数々。自身をアートととらえ、ダリの存在自体がスキャンダラスで話題に欠くことがなく、キャンディーのロゴデザイン等商業デザインやレシピ本まで出版する程、その人気は国際的に高いものでした。

ダリの絵の特長は夢のような幻想的イメージですが、意外にも「真珠の耳飾の少女」で有名なフェルメールを敬愛しており、緻密かつ写実的に描く繊細な筆のタッチにその影響が見てとれます。

ダリの卵への偏愛は相当なもので、卵は母親の胎内であり完璧な形だとあがめていました。絵画に度々描かれるのは勿論、フィゲラスのダリ美術館やカダケスの家にも卵のオブジェがあります。

サルバドール・ダリ美術館

カタルーニャ地方のフィゲラスにあるサルバドール・ダリ美術館へ、筆者は2回訪れました。一度目は団体旅行のフリータイムの1日をあてて、バルセロナから電車で当時片道2時間半程かけて行きました。卵をモチーフにした外観だけでなく、館内も鑑賞者を楽しませる仕掛け満載の大きなビックリ箱で、悪戯好きダリの遊び心が垣間見れました。半分位鑑賞したところで同行した友人がギブアップしたので、後半駆け足で鑑賞しました。なのでその数年後、個人旅行でゆっくり訪れました。
ダリが晩年ガラと暮らしたカダケスの海岸沿いの家も訪問し、ダリの絵に描かれるくねくねした異様な形の松や、海の遠くに見えるクレウス岬を発見し感動しました。

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サルバドール・ダリ美術館(Wikipediaより)

ダリへのオマージュ「記憶の固執」

ダリの代表作「記憶の固執」。溶けた時計はデザインとして、現在でも色々な所で目にすることがありますね。

メルティングクロック 置時計タイプ アンティークゴールド 54441


実はこの時計、食卓の残飯のひとつであった溶けたカマンベールからインスピレーションを受けたようです。
書籍「わが秘められた生涯」の中で、ダリはこう語っています。
柔らかさの哲学的問題について、私は長い間瞑想し、カマンベールが正確な答えをくれた。そしてアトリエに寄り制作途中であったポルト・リガトの風景画に一瞥を与え、就寝するために電気を消そうとした瞬間、2つの柔らかい時計をそのキャンバスに見たのだ。偏頭痛がしたがすぐ筆を取り、ガラが戻ってくる2時間後にはこの有名な絵画はほぼ完成していた」と記しています。

わが秘められた生涯 (1981年)


ダリへのオマージュとして、「記憶の固執」を油絵で模写してみました。
さあ、ここで間違い探しです。この絵には、欠けているものが1つあります。さてそれは何でしょうか?

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サルバドール・ダリ「記憶の固執」自作

答えは、大きな時計にとまっているはずのハチです。正解者のあなたは、かなりのダリ通ですね!
油絵初心者の為、ハチが上手く描けず完成画は見るに耐えない代物なので、比較的マシな完成途中の画をアップしました。
何卒ご了承下さいませ。