ToMonteItaliaの食旅

イタリア在住のトモンテが、食を中心に、スローライフを紹介するよ

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幸福の野原でマウンテンバイク

ブログ名を"ToMonteItaliaの食旅"と名付けながら、Monte(イタリア語で山)の話がほとんどなかったので、今日はイタリアの山について書いてみます。

北イタリアのヴァッレ・ダオスタ州を訪れる日本人観光客は、近年増えてきています。と言うのは、クールマイユールにはモンブランへ行くためのリニューアルしたケーブルカーがありますし、イタリア側から見れるマッターホルン、4,478mのチェルヴィーノがあるからです。4,000m級の山が揃っているアルプス山脈のモンテ・ローザには、個人旅行で来られる山好きの方もいらっしゃいます。

夏のバカンスシーズンには私も北イタリアへ行きますが、ローマからは遠すぎるので、週末はラッツォ州のお隣に位置するアブルッツォ州で、サイクリングやトレッキング、冬にはノルディックスキーをします。
アブルッツォ州には、イタリア半島を縦貫する1,200kmのアペニン山脈の最高峰があり、2,912mのGran Sasso(グラン・サッソのコルノ・グランデ)と2,793mのMonte Amaro(モンテ・アマーロ)、2,285mのMonte Greco(モンテ・グレコ)を有しています。
グラン・サッソ国立公園、マイエッラ国立公園、アブルッツォ国立公園と、3つも国立公園があるアブルッツォ州は、自然に恵まれた緑豊かな州です。

今回は、上記国立公園ではなく、ローマから最も近いアブルッツォ州の山岳地帯を紹介します。
ローマから高速道路に乗り車で1時間半程度の距離に、Campo Felice (カンポ・フェリーチェ)というトレッキングやスキーに最適な山岳地帯があります。Campo Feliceを和訳すると幸福の野原となりますが、お天気の良い日は確かにそんな気分にさせてくれます。
2,064mのMonte Rotondo (モンテ・ロトンド)が最も高い山なので、子供連れのファミリーでもハイキングやピクニックやスキーを楽しめます。

Campo Feliceの高速出口からしばらく進んで数分後、交差点を右折すると下写真のCaseificio (自家製乳製品販売店)があります。

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Caseificio カンポ・フェリーチェ

そこから真っ直ぐ行くと右手遠方にホテルが見えますが無視してさらに山道を進むと、小さな無料駐車場があります。
駐車場からは、秋の落ち葉の絨毯が敷かれた森の中の山道を登り、しばらくすると360度見晴らしの良い高原に着きます。そしてまた、山や丘や岩を横目に見ながら、山小屋目指してひたすら砂利道を登って行きます。

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カンポ・フェリーチェ

2,102mに位置する山小屋セバスティアーニへ到着した時には、11月だというのに汗だくでした。山小屋にはゼン(禅)と名付けられた真っ白で可愛いマレンマ・シープドッグがいました。シープドッグという名前からおわかりのように、通常は羊飼いが家畜を外敵から守る為に飼う犬です。山小屋は現在改装中で、2021年6月にリニューアルオープン予定だそうです。

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現在改装中の山小屋セバスティアーニ

山小屋から普通に復路を辿るのではなく、passo del Morretanoへ左折し、マウンテンバイクを押しながら坂道をてくてくと歩き、駐車場に着く前に自家製乳製品販売店でフレッシュモッツァレッラをあてにビールを飲み干しました。お値段はやや高めですが、ここのモッツァレッラは絶品です。
マウンテンバイクで走ったり、降りて歩きながら、結局約24km、標高差約700mのサイクリングとなりました。
アスファルト舗装された道が全く無く、砂利や泥でハンドルを取られるので、まるで初心者用トライアスロンに参加している気分でした。

12月現在、ラッツォ州から他州への移動はコロナ規制で禁止されているので、来年6月にはコロナが終息して、リニューアルした山小屋セバスティアーニで山小屋料理を堪能できることを心から願うばかりです。