ToMonteItaliaの食旅

イタリア在住のトモンテが、食を中心に、スローライフを紹介するよ

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ありがとう、マラドーナ!

ディエゴ・アルマンド・マラドーナが、11月25日、ブエノスアイレス郊外の自宅で、心不全により60歳という若さで逝去しました。

サッカーファンでなくとも名前だけは知られている、全世界で高い知名度を持つ彼ですが、イタリアでは、とりわけナポリでは、老若男女問わず神的存在です。
マラドーナ自身も、「ナポリは第2の故郷だ」と、いつも公言していました。

ナポリのサンパオロ・スタジアムには、今日も花を供える人が絶えません。
昨晩は、ナポリの街中に灯火や発煙筒やアルゼンチンの国旗などが溢れ、大勢の人々がマラドーナの他界を惜しんでいました。

ナポリ市長は、マラドーナ逝去日早々「ナポリのサンパオロ・スタジアムをディエゴ・アルマンド・マラドーナ・スタジアムと呼ぼう!」とツイッターし、スタジアム名称変更の準備を進めています。(2020年12月4日から正式に名称変更しました)

現在コロナ感染者数世界第8位、感染死亡者数世界第6位のイタリアでは、通常テレビ報道はコロナ関連が大半ですが、昨日26日はマラドーナ逝去がトップニュースとなり、今も彼が過去出演した番組の再放送や、現役時代のファインプレイの編集ビデオが、各局で放送されています。

5人抜きドリブルや神の手シュート(現在ならVARビデオ・アシスタント・レフェリーで手が触ったことが判明し、即ゴール無効ですが...)の神業で、サッカーファンだけでなく、FCバルセロナ所属の同郷のメッシやその他有名サッカープレーヤー達が、彼の偉業を称えたコメントをしています。

ただ、そんなマラドーナにも闇の部分があり、薬物依存症で入退院を繰り返し、鬱病にも悩まされ、心身共に年々崩壊していきました。
サッカー選手現役引退後、テレビ番組でドラッグ依存についての後悔の念を、涙目で語っていたこともありました。

気の毒なのは、サッカーに専念する為に13歳で学校を辞め、小柄な体格を肉体改造する為、複数の薬物やビタミンを服用し人工的な筋肉増強しており、子供時代から既に合法の薬漬けは始まっていたことです。

夜遊び、アルコール、ドラッグ漬けで、練習や試合のサボタージュによる会長や監督との確執が原因で、FCバルセロナからSSCナポリに移籍しましたが、練習を多少さぼろうとクラブ史上初のセリエA優勝を導いた功績を見ると、背番号10番がSSCナポリの永久欠番になったのもうなづけます。

彼の遺産(または借金)相続のニュースも流れ始めていますが、彼の女性関係は複雑で、子供は推定で最低5人、多くて8人はいるのではないか、と言われています。

マラドーナは10月30日生まれの蠍座で水のグループです。
蠍座をはじめ、水のグループの星座とよく縁のある私が彼らに共通して感じることは、心が広くて繊細、愛情深くちょっぴり淋しがりや、という特長です。
母性本能をくすぐる人なつこい屈託のない笑顔、ジョークを飛ばしムードメーカーとなる底抜けの明るさに、蠍座のセンシティブな要素が加わり、伝説に残るサッカー選手としてだけでなく、その人間性も魅力的でした。

経済的に裕福ではない家庭に生まれたマラドーナは、ナポリの貧しい地区で親善サッカーをしたり、またナポリチームの若い選手の父親が亡くなった際、その家庭が葬式費用を捻出できない程貧しかったので、葬式代とその後の資金を援助をするような博愛精神を持っていました。

ローマ教皇はサッカー好きで、アルゼンチンに住んでいた頃よく観戦にも行っており、数年前マラドーナが謁見に来た際、とても喜んでいました。
今回の訃報直後、お悔やみの手紙にロザリオを添えてマラドーナの家族に送り、インスタグラムには、マラドーナの謁見ビデオをアップされました。

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夢で神の手シュートをきめた瞬間、
きっと神様がThanksgivingに間に合うように、
ディエゴの手を天国に引っ張ってくれたんだね。
今まで楽しませてくれてありがとう。
沢山の感動をありがとう。
Grazie di cuore 
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追記: 11月28~29日のセリエAカンピオナート戦全試合において、試合開始前に1分間の黙祷、加えてマラドーナの背番号10番にちなみ、試合開始10分後に試合を中断し1分間マラドーナへ拍手を送るという儀式が行われました。
その間、ADIOS(さようなら)と無限大のシンボルマークが、無人の観客席から放たれました。
ローマVSナポリ戦では、ナポリ選手全員がアルゼンチンの公式ユニフォームを着て出場、0-4でナポリが勝利しました。この結果は、ナポリの選手達がマラドーナを想い一丸となってプレイしたことはもちろん、天国でマラドーナが応援していたお陰かもしれません。Hasta siempre マラドーナ!

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ローマ対ナポリ戦開始10分後のスタジウム



*今週のお題「感謝したいこと」への投稿文です。