イタリアの無料スクリーニング:大腸癌、乳癌、子宮癌検査
チャオ！トモンテです。
イタリアは、コロナ感染拡大による医療崩壊のイメージが強いですが、医療制度については良い面もいくつかあります。
この記事では、イタリア・ラツィオ州の無料スクリーニング検査を紹介します。
全てのスクリーニング検査は、基本的に自宅へ封書でお知らせが届きます。過去に届かない時もありましたが、ラツィオ州のスクリーニングフリーダイヤルに、こちらから連絡すると予約できます。
最近ではSMSでお知らせが来るケースもありました。
大腸癌検査
女性の死因のトップである大腸癌。
父を大腸癌で亡くした筆者も、過去仕事のストレスからか下血し、日本で大腸内視鏡を受けたことがあります。（結果は異常なし）
実家がある市では、希望者が病院で500円を支払うと検便キットを2セット頂けるので、里帰りの度に検便をしていました。
便潜血検査（検便）
ここラツィオ州では、50歳～74歳までの男女に封書でお知らせが届き、検便が無料で出来ます。
指定の薬局に通知と保険証を持って行くと、検便キットを1セットもらえ、便を採取したキットを同薬局へ返却します。
SMSで検便キットが届くお知らせを受信した場合は、郵便でキットが届くのを待ち、採取後同封されている封筒に入れて返信するか、近くの保健所へ持って行くことになります。
検査は2年に1回で、現在岡山県のAlfresa Pharma Corporationで製造された検便キットが使われています。
大腸内視鏡（大腸ファイバー）
検便で陽性結果の場合、病院で問診後、大腸ファイバーを優先的に予約してくれます。
過去に1度だけ検便で陽性反応が出た時、病院から何度か携帯に電話をもらっていたらしいのですが気付かず、その後すぐ郵便書留で、「検便結果が陽性の為、病院へ至急電話し診察の予約を直接するように」とのお知らせが届きました。
診察日に、父の死因が大腸癌と言うと即、大腸ファイバーの予約を近い日で入れられました。
大腸ファイバーの結果ですが、幸いなことに腸内にはポリープが１つもなく、便の潜血は便秘による切れ痔からの出血ではないか、とのことで、水分と生野菜を積極的に取るよう助言を頂きました。
普段から切れ痔についての自覚症状はありませんが、便秘症ですので、野菜や繊維質の多い食品を食べるよう現在も心がけています。
大腸ファイバーも診察も、全て無料でした。
乳癌検査: マンモグラフィ
50歳～74歳までが無料で、2年に1回通知が届きます。
2回目の再検査も無料で、専門医による問診と触診、そして詳細マンモグラフィーの追加とエコー検査が行われます。
子宮頸癌検査
3～5年に1回郵便で通知が届き、25歳～64歳までが無料で受けられます。
スクリーニング検査方法は、パップテストとHPV検査（ヒトパピローマウイルス検査）です。
ウイルスによって引き起こされる腫瘍性疾患であるHPV（ヒトパピローマウイルス）は、子宮頸部の細胞を異常な細胞に変換し、まれに癌細胞になる可能性があります。
HPV検査により、実際に障害を引き起こさない初期段階で、新生物の存在を知ることができ、人体に攻撃性の低い効果的な治療を開始することが可能になり、とりわけ、回復の可能性が高まります。
最後に
この記事では、イタリア・ラツィオ州の無料スクリーニングテストを紹介しました。
基本的に健康体なので忘れてしまいがちな自分の健康チェックを、この無料スクリーニング検査で出来るので、大変気に入っています。
日本では国民健康保険料金を支払わないと保険証を取得できませんが、イタリアでは必要書類（外国人の場合、滞在許可証や居住地証明書等）を提出すると無料で取得できます。そのかわり、医療費は日本と比べ高く、歯科での治療費は実費です。加えて、大学病院のオーガナイズの悪さは、何でも準備万全に慣れている日本人には耐え難いものがあります。
無料スクリーニング検査の結果が陽性の場合、電話や郵便書留で凄いスピードで追跡してくれますが、陰性結果は普通郵便で届くので1ヶ月以上待たなければなりません。
今年は医療従事者の皆さんがコロナ関連で多忙なので、検便提出から1ヶ月半以上経っても結果が送られてきませんでした。
なので、スクリーニングフリーダイヤルに確認すると、「郵便局の問題で紛失かも。メールで検査結果を送るわ」と言われ、電話を切ってからすぐ陰性結果をメールで送ってくれました。
イタリアは、郵便事情が不評で、郵送料の安い普通郵便だと、遅延、紛失はしばしばです。
皆様もイタリアに何か郵送される際は、充分お気をつけ下さい。
●参考サイト
aslroma1.it
