イタリアの山岳地方の教会、Chiesa Alpina 高山の教会
チャオ!トモンテです。
10月3日は登山の日(山の日)。
10(と)3(ざん)の語呂合わせから、日本アルパイン・ガイド協会が、1992年に制定しました。
写真は、2年前ピエモンテ州で開催された山関連のアンティーク書籍見本市で、家人が一目惚れで購入した1950年代に描かれた油絵です。

絵の教会は、ヴァッレ・ダオスタ州にあるノートルダム・デ・ゲリソン教会で、今夏のバカンス中に訪れました。
この記事では、山の日にちなみ、イタリアの山岳地方の教会、Chiesa Alpina(高山教会)を2つ紹介します。
Santuario di Notre-Dame de Guérison(ノートルダム・デ・ゲリソン教会 )
19世紀に建てられ、1868年に奉献されたこの教会は、モンブランの下、ブレンバ氷河の麓、ヴェニ峡谷の入り口にそびえ立っています。
Guérison(ヒーリング/癒し/心身の回復の仏語)の神/ノートルダム(聖母マリアの仏語)の意から、ノートルダム・デ・ゲリソン教会と名付けられました。
この様にヴァッレ・ダオスタ州には、フランス語名称のものが沢山見られます。
この教会は、クールマイユール中心部から車で10分弱(北西方面へ4km弱)、モンブラン行きロープウェイSkywayから車で15分弱(5km弱)に位置する、アオスタ渓谷で最も人気のある聖域の1つです。
バチカン教皇ヨハネパウロ2世と教皇ベネディクト16世も、休暇中に何度か訪問されています。

教会内の壁に掛けられている多くの絵画に描かれたEx Votoとは、モンブランやK2等の高山や様々な峠を越えようとした際、危険を免れた登山家によって感謝の気持を込めて記されたものです。
山以外の自動車事故や列車事故の絵画も多く見られました。
奉納だと思われる参拝客のマリア像の壁掛けが、壁一面に隙間なく掲げられていました。

今夏に登頂した標高3480mのTesta del Rutor(テスタ・デル・ルーター)の絵画(自動車事故の絵の右隣)を偶然発見!怪我もなく無事に登頂できたことに感謝の気持を込めて、神様に手を合わせました。

Chiesetta Alpina(高山の小さな教会)
ラツィオ州Antrodoco(アントロドーコ)のMonte Giano(ジャーノ山)登頂中の山道から見えた山の小さな教会(幅2.6mx奥行き3.3mx高さ3.8m)。

近づいてみるとこの教会、崖っぷちに建っていました。教会の右隣にはボロボロのイタリア国旗が風になびいていました。
教会に名前はなく、木製板にChiesetta Alpina(小さな教会)1323mとだけ彫られていました。
教会の正面上部に「(戦争で)戻ってこなかった人々に、アントロドーコのアルパイングループが感謝の気持ちを込めて、聖母ジュリアを捧げます。1959年10月4日」と書かれていました。
何故聖母マリアでなくジュリアなのか?と疑問に思い調べてみると、本部がウーディネにあるイタリア陸軍の大部隊「ジュリア」アルパイン旅団から命名されていることがわかりました。

扉を開けて教会の中に入ると、聖母ジュリア発見!

近くには、アザミやイヌサフラン(食用サフランと異なり猛毒)のお花が咲いていました。


最後に
この記事では、イタリアの山岳地方にある有名な教会と無名の小さな教会を紹介しました。
筆者はクリスチャンではありませんが、自然にとけこんでいる山の教会は心が洗われるので、中に入って必ず拝むことにしています。
ノートルダム・デ・ゲリソン教会は、車でのアクセスが可能で山登りの必要がないので、ヴァッレ・ダオスタ州のクールマイユールやモンブラン行きロープウェイSkywayに行かれる方にはおすすめのスポットです。
(夏季シーズンのみ入場可、2022年6月15日からオープン、入場料無料、開館時間等の詳細は、ご参拝前に必ず電話でご確認下さい Tel: 0165.869085)
●参考文献
Wikipedia